「佐藤さん」と「鈴木さん」同士は罵り合ってもいい!?不思議なギニアの「冗談」
[ギニア] 投稿日時:2018/12/31(月) 23:55
日本はすっかりお正月モードに入っていると思います。ギニアはどんどん暑くなる一方で、クリスマスや年末感は全くありませんでした。ただ、街中に頑張ってイルミネーションを飾っており、夜はたまにクリスマス気分に浸れました。

これでも去年よりは頑張ったクオリティなんです…!
今回は、ギニア人の中では「文化」「常識」といえる、苗字に関する冗談について、紹介したいと思います。
まず、ギニア人の苗字についてざっと紹介します。ギニアには大きく3つの民族があり(スースー・プル・マリンケ)、苗字をみればだいたいどの民族なのかわかります。
そして、ギニア人の苗字のバリエーションはびっくりするくらい少ないのです!よくある苗字はシラ(スースー)、カマラ(スース―またはマリンケ)、カバ(スース―)、ディアロ(プル)、バー(プル)、ルアー(マリンケ)、コリエ(マリンケ)など。体感ですが、周りのギニア人の6-7割がこのどれかの苗字です。
ここからが本題ですが、なんとギニアには「お互いが罵ってもいい苗字」の組み合わせが存在します。例えば「シラさん」と「カマラさん」は相手がどんなに偉かろうが、年長者だろうが何を言い合っても許されます。これは小さい子供でも組み合わせが分かっているそうです。
よく言われるのは「カマラは泥棒(voleur)だからな」という言葉です。なぜかカマラ=泥棒という冗談があるらしく、シラがこれを言うともう周りは大受けです(もちろんカマラも笑っています)。
ギニア歴が約20年になるフランス人の同僚は、シラのことをあえてカマラと呼んだりしています。これを初対面のギニア人にするのですが、もうつかみはバッチリです。うまいなーと思います。
ギニアでは民族が政治利用されており、現野党はプル族が支持母体となっています。そのため反体制デモなどで、デモに参加するプルの若者がなくなったりすると、民族間の対立にも緊張が走ります。
こういった民族の垣根を超えたジョークは、民族間の対立などを少しでも和らげてくれるのかなと個人的に考えます。
それではみなさん良いお年をお迎えください。Bonne année !
Yuki