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Yoko

街は人。モントリオールの住人インタビュー:LATHE [カナダの文化]

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こんにちは!YOKOです。お久しぶりです。
MONTREALへワーホリで来てから半年が過ぎようとしています。

MONTREALに来てまだ数週間も過ぎていない頃、
地下鉄のコンビニで買い物をしたら、「あなた日本人?」とコンビニの店員に話しかけられました。
そうですよと答えたら、彼女は大喜びして、店の奥にいた同僚を呼びに行きました。
アジア系の女性がまた大喜びして出てきて、話を聞いてみると、
彼女の娘はモデルエージェンシーとして働いていて、キャンペーン撮影のため日本人モデルを探しているのだそう。
一回の撮影で1000ドル。
怪しいぞ、気をつけろと思いながら、とりあえず携帯の番号を渡しました。

すぐに彼女の娘からメッセージが来て、数枚の写真を送ったところ、キャンペーンモデルのモデルとして選ばれたと次の日連絡が来ました。
それから1週間後、指定されたスタジオへ。
殺風景で大きな建物に、ビビりまくりながら入ってみると、本当にちゃんとした撮影現場!
隅にはビュッフェがあり、お洒落な女性が「コーヒーはいかが?」と勧めてくれました。
二人の姉妹にヘアメイクとメイクをしてもらい、全身真っ黒な服を着た例のハンサムな男性:LATHEがスタイリスト・アシスタントとして服を選んでくれました。
そんな風に、私はLATHEと出会いました。

街は人です。
言語を勉強するのも、色んな人と出会ってみたいからですよね。
モントリオールで出会った人にインタビューして、街を紹介したら面白いんじゃないかなと思い、今回挑戦してみることにしました。
このアイディアを思いついたのは、ルームメイトが働き始めたカフェ、CAFE OSMOに遊びに行った朝。
午前中にジム通いを済ませて来てくれたLATHEとデカフェを飲みながらお話を聞きました。

LATHEにしたインタビューを読んでいただく前に、
少しMONTREALにおける性文化について触れさせていただきます。
「フリーカップル」や「ストレート」「ゲイ」「バイセクシャル」「Aセクシャル」「レズビアン」…
日本で生活していたら、あまり聞きなれない言葉じゃないかしら。
ここMONTREALの人々は、フランスからの影響を強く受けてか、性に対して非常に開放的です。
多人種が住む都市でもあり、様々な人種同士でも開放的な感じ、差別というのが見受けられません。
日本人同士の会話なら、基本的に相手がストレートなのだという前提で会話が進んでいきますが、
モントリオールでは私と同世代ぐらい(私は現在29歳です)の方と会話するときは、
前提として相手がどのカテゴリーなのかわからない、ストレートだと決めつけないで会話をします。
逆に絶対ゲイかレズの方ではないかと思える外見の人に対しても、そうだとは決めつけないで接します。
最初の簡単な自己紹介をしあう時に、お互いのカテゴリーを聞き合ったりはしません。
それは少しパーソナルでプライベートなことですし、
偏見を持っているような相手には伝えたくありません。
実際個々人でも、自分がどのカテゴリーなのかまだわかっていないかもしれない、
という思いがあったりもします。
ストレートだと多分思うけれど、もしかしたら自分はバイ・セクシャルかもしれない、
ゲイかも、レズかも。
ゲイだと思うけれど、バイ・セクシャルかもしれない。
私はこの態度を素晴らしいと思います。より健康的で、文化的です。
またこの態度を身につけたなら、自分では体験できないことや、自分では気づけないことを仲良くなった相手から教えてもらえたりして、会話が弾みます。
またこの態度は、フランス文化、フランス人と沢山出会って仲良くなるために大切なことです。
フランスといえばファッションや、芸術、哲学、美食などが思い浮かびますが、特にそういった分野に深く関わる人ほど、性に対して開放的な人が多いように思うからです。
MONTREALの住人の一人を紹介するにあたって、私は彼のカテゴリーをここに明記したくない、同時に彼の視点や素敵な生活をみなさんにご紹介したいということで、長々と書かせていただきました。

LATHEと知り合って数ヶ月が過ぎました。
LATHEというのは彼の名字なのですが、とても可愛いので、彼をLATHEと呼んでいます。
一緒におしゃれなカフェに行ったり、夕飯を作って招待しあったり、香水のサンプルをもらいに行ったり、お洋服を見に行ったりして過ごしています。
そんなLATHEから、彼のフランス語学習経験やモントリオールでの暮らしについて伺いました。


Keegan Lathe-LeBlanc




LATHEはモントリオールから車で数時間ほどのところにあるトロント出身。
少し離れただけなのに、トロントは英語圏。なので彼の母国語は英語だけでした。

「MONTREALに来たきっかけは?」
ーー大学に行くため。
  高校の哲学の授業で哲学が好きになって、大学で哲学と宗教を勉強することにしたんだ。
  最初は1年オタワの大学に通ったんだけど、モントリオールの大学に変えることにした。
  そのほうが挑戦的だと思ったから。
  スラヴォイ・ジジェイやミシェル・フーコーが好きでね。
  パノプティコンについてのレポートを書いたりしたよ。

「MONTREALについてどう思う?」
ーー初めてモントリオールを訪れたのは10歳の時。
  父が仕事でモントリオールに一時期住んでたから。
  2回目はガールフレンドと一緒に来たんだ。
  その時にトロントとすごく違う場所だと思った。
  モントリオールの人々はトロントの人々よりもずっと何に対してもオープンだなって。
  それでもパリで一年過ごしてモントリオールに帰ってくるまでは、
  モントリオールのことをちゃんと知っていたとは思わないよ。
  フランス語を話せるようになって、だいぶ変わったんだ。
  英語が通じるから、フランス語が話せなくてもモントリオールで過ごすことはできる。
  でもフランス語が話せないと、モントリオールの半分も知れないんだ。
  それに地理的にモントリオールがそんなに大きすぎる街でないことも好きだよ。
  トロントは東京みたいに大きいからね、友達に会いに行くのに1時間半かかったりするよ。

「フランス語を勉強し始めたきっかけは?」
ーーモントリオールに住むようになってからかな。
  スーパーに行くんでも、表示が読めないし、店員とコミュニケーションが取れなかった。
  しょっちゅうイライラしてたよ。
  人々が何話してるかわからなくて、モントリオールにいてもここにいるって感じがしなかったんだ。
  それでも、もっとモントリオールにもっといたいと思った。
  そのためには、フランス語をもっと勉強しなくちゃと思ったんだ。

「フランス語はどうやって勉強したの?」
ーーカナダではみんな小学生の時からフランス語を勉強するんだ。
  でも全然話せなかった。トロントではみんなそんな感じだったよ。
  学校で勉強しても、超簡単な言葉しか話せなかった。
  モントリオールに来てから、大学を少し休学してフランス語の学校に通ったんだ。
  それからパリに行った。
  パリに行っても最初は全然話せなかったよ。
  最初パリで始めた職場ではみんな英語が話せたし、お客さんもみんな英語が話せた。
  それでフランス語でしか話せない職場に変えたんだ。
  それからハリー・ポッターをフランス語で読み始めた。
  映画を見てたから、どんな内容が書いてあるか推測できたからね。
  そしたらいきなりフランス語のレベルがどんどん上がったんだ。

「パリでの暮らしはどうだった?」
ーー21歳の時だった。ワーホリビザで1年と少し滞在したよ笑
  人々は全然フレンドリーじゃないし、僕と友達になることに興味がなかった。
  5回も引っ越したよ。僕はすごい貧乏だったし。
  フランス人じゃないと、アパートを探すのはすごく大変だし、
  長い契約期間で住む場所を見つけられなかったんだ。

「パリのゲイってどんな感じ?」
ーーゲイっていうのは、どこにいても同じなんだよ。
  どんな風に誘うかとか、どんな人ならゲイかっていうのは国ごとに違ってるけどね。
  例えばモントリオール近くの小さな町に行って、スカーフを巻いている男がいたら間違いなくゲイ。
  でもパリではスカーフを巻いていても、オシャレのためであってゲイとは限らないんだ。
  
「フランス語の習得で何が一番大変だった?」
ーー自信がなかったことかな。
  フランス語で話しても、全然何言ってるかわかってもらえない気がした。
  それにフランス語で話す機会を見つけるのは難しかったよ。
  みんな英語で話せちゃうからね。
  それにフランス語で話しているときは、自分がバカになった気がした。
  言語を習得し始めるときは、みんな子供っぽくなってしまうからね。

「フランス語を習得してから、どんな風に人生が変わった?」
ーー職種が広がったよ。
  それにモントリオールにいて孤独感が消えた。
  その前はここにいるだけだったけど、フランス語を話せるようになってからは、
  自分もここの住人の一人だと思えるようになったんだ。


  
「モントリオールで現在どのような生活をしている?」
ーースタイリストとして働いたり、ルームメイトと過ごしたり、カフェやジムに行ったり。
  よく友達と映画を見に行くよ。
  夏になったら公園でピクニックしたり、プールで泳いだりする。
  あとはイケアに行くのが好き笑
  彼氏と映画を見たり、レストランに行ったり、ハウスパーティーに行ったりもするし、
  あるいは僕がスケートボード、彼が自転車に乗って色んなところに行ったりもするよ。

「モントリオールでお気に入りの場所は?」
ーーベッドの中が一番笑
  でもそれ以外だったら、すごく大きな廃墟が昔あったんだ…壁中にグラフィックアートがあった。
  もうなくなっちゃったんだけどね。
  あるいはマギル大学。建物が美しいからね。
  もう卒業しちゃったけど、たまに行くよ。
  レストランならL'Avenueがお気に入り。

「スタイリストの仕事を始めたきっかけは?」
ーー博士課程から卒業しようとしていた時に、これから何をしようか考えてた。
  ボランティアをしたり、色んな会社を調べたりしたよ。  
  「どんな仕事ができるかな」って考えてた。
  そんなある日、ファッションショーで働いていた友人に観に来ないかって誘われたんだ。
  観に行ったら、ついでに手伝ってみないかと言われた。
  それで友人がスタイリストの仕事をしているのを見ていた。
  これなら僕にもできる、面白い、とっても素敵だと思ったんだ。
  最初はインスタグラムを通して、どうしたらスタイリストになれるか調べたりしたよ。

「最初の仕事はどんなのだった?」
ーースタイリストとして初めてお金を稼いだ仕事は、
  ずっと憧れていたスーパーモデルのCoco Rochaとだったんだよ!
  超簡単な仕事、服を包んで店に返すだけだったけど。
  それからアマチュアで集まって写真を作って雑誌に送ったりしたよ。
  お金を稼げるかは後にして、ともかく写真を作って送ったんだ。
  それからコネクションを通して、アシスタントの仕事ができるようになったんだよ。

「今までモントリオールで過ごしてきた中で、一番素敵だった日のことを教えて」
ーー元カレとの最初のデート。
  Aux Vivres Papineauっていうレストランに行ってテイクアウトして、
  Eglise Saint-Enfantt-JEsus du Mile-Endに行って食べたんだ。
  彼はスケートボードを買ったばかりで、スケートボードの仕方を彼に教えたよ。
  Mile-Endにあるお気に入りのスポットでスケートボードをしたよ。
  すごく暑い夏の日だった。
  夜には森に行って、寝転がって星を見たんだ。


(Aux Vivres Plateau)


(Eglise Saint-Enfant-Jesus du Mile End)

美術館がある、ストリートアートがある、公園がたくさんある、国際的なレストランがたくさんある、教会がある、大学がある…
どんな人々が住んでいるか、人々が何を大事にしてるかが、街には反映されます。
MONTREALには素敵で文化的に豊かで健康的で開放的な人々が沢山います。
そういった人々が、楽しく暮らしている街がMONTREALです。

YOKO
 

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